一般社団法人 九州地域づくり協会
  先人の知恵と工夫を学ぶ土木遺産紹介のページです

トップページです。
県別の地図、リストより探せます。
土木遺産特集
土木遺産関連冊子
関連サイトのリンク集です。
ご意見・問合せはこちらまで。
製鉄発祥地を支えるダム
かわちえんてい・べんしつ
河内堰堤・弁室
北九州市八幡東区
堰堤

image17

所在地・完成年等 施設の形式・諸元
●所在地:福岡県北九州市八幡東区 河内
二級河川板櫃川
●完成年:1927年(昭和2年)
●設計者:官営製鐵所(現、新日本製鐵 八幡製鐵所)技師 沼田尚徳、中島鋭治
●施工者:官営製鐵所(現、新日本製鐵 八幡製鐵所)
●管理者:新日本製鐵 八幡製鐵所(民間企業所有ダム)
●文化財指定等:土木学会選奨土木遺産
●高さ:44.1m
●延長:189m
●形式:粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム

堤体上流面と貯水池


堤体上面遠景

堤体の歩道面
遺産の説明(社会的背景・歴史的・文化的価値など)
 北九州市八幡東区板櫃川上流にある河内堰堤は、官営八幡製鐵所の用水を確保するため、大正8年に工事着工、8年の歳月を費やし昭和 2年3月に竣工しました。当時、貯水量700万トンは、東洋一の規模を誇るダムでした。工事には延べ90万人の人々がたずさわったと言われています。
堰堤は、前後面 石積みの重力式含石コンクリート造り、工夫を凝らしたデザインは芸術的な価値が高いと讃えられ、注目を集めました。
専門的には、温度荷重対策として、伸縮継手が堰堤縦断面方向に水平距離22.5mの間隔で6箇所設けられ、7ブロックに区分されているところに特徴があります。また、継手面にはコンクリートブロックが積まれ、その一部に凹部を設け、漏水防止用の銅板が埋め込まれていることもあげられます。同時に他の空隙部には絶縁用塗料が充填されており、80余年を経た現在も、この継手からの漏水は認められていません。
八幡東区の河内貯水池は北九州市の桜の名所で、近代土木遺産が集中する場所です。ヨーロッパの古城を思わせる石積みのダム堰堤自体に歩みを進めれば、美しい道路橋群「河内5橋」に出会います。また、水路橋及び歩道橋群、亜字池と呼ばれる曝気処理池、附属建屋群、および水路の各設備等、北河内産の石を色々な形で適用し、橋・建物等のデザインに工夫を凝らした、一大野外芸術群を創出しています。
交通アクセス
JR八幡駅から(西鉄バス)田代行き、堰堤前バス停下車。

Googleマップへリンク

※当情報は位置情報のみです。施設へのアクセスが危険な箇所もありますので安全性を確認して下さい。

Copyright (C) 2014 Kyushu Chiikizukuri Kyoukai. All Rights Reserved