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鼻ぐり井手
菊陽町
樋門・水路

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所在地・完成年等 施設の形式・諸元
●所在地:熊本県菊池郡菊陽町 曲手~辛川
●完成年:1608年(慶長13年)
●設計者:加藤清正
●施工者:加藤清正
●管理者:馬場楠堰土地改良区
●文化財指定等:町指定文化財(史跡)
●水路:堆積土の排出技法。26箇所が現存

遺産の説明(社会的背景・歴史的・文化的価値など)
 鼻ぐり井手は、白川中流左岸の馬場楠井手の曲手~辛川間にあり、加藤清正の手による治山・治水事業(技術)のひとつで、熊本平野特有の火山灰土壌による泥土の堆積から灌漑用水井手の維持管理のために考案された遺構です。
慶長13年(1608)に掘削されたもので、当時、215間(約390m)の区間は岩山を掘削した所で、両岸は切り立ち、地上から井手底までの深さは約20mにおよび、排土作業が至難なところでした。そのため考案された仕組みが、水力を利用して井手底に堆積する土砂をつぎつぎに下流へ排出する「鼻ぐり」遺構です。
構造は、岩盤を約4~5m間隔に幅約1m、高さ約4mの橋のように残し、その下辺に直径2m強の水流穴(鼻ぐり穴)をくり抜いたもので、「鼻ぐり」という名は、その形が牛の鼻ぐりに似ているところからついたものです。
また、大雨等による悪水(不用水)は、鼻ぐり上流で「吐」と呼ばれる遺構によって調節され、白川へ排出される一方、灌漑用水不足の場合は、分水路を通して下流域で合流させる仕組みが施されています。
この「鼻ぐり」は当初約80ヶ所設けられていましたが、江戸時代末期に水理を知らない役人によって約50ヶ所が打ち壊され、現在は26ヶ所が残り、全国無類の遺構といわれています。
現在も、馬場楠堰で取水された水は、鼻ぐり井手を通って、12kmの用水路により白川左岸の水田を潤しています。
交通アクセス
九州自動車道熊本ICから車で東へ約20分
JR鹿児島本線熊本駅から車で東へ約50分
九州産交バス上辛川(臨時バス停)から徒歩約5分

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