渡鹿堰は、加藤清正による治水・利水施設のひとつで、白川水系で一番大きな堰です。白川が大きく曲がって熊本市街地に入る地点にあり、堰が川に対して斜めにつきだしたユニークな形をしています。これは、洪水の勢いを和らげ、通常時は水量が少ない白川の水を効率的に取水できるようにしたもので、取込口である大井手開水路(2.7㎞)から一の井手(6.2㎞)、二の井手(6.5㎞)、三の井手(6.3㎞〕と3つの開水路(平均流量,Q=3.5~2.6立方メートル/s)に分水しています。
築造当時(西暦1600年頃)は熊本平野1,083haを灌概していましたが、現在の取水堰は昭和28年(1953年)の大水害後に改修されたもので、 都市化による農地の減少により、現在は熊本市南部の水田や花卉等の用水約300haを灌漑しています。
また、近年は「大井手を守る会」などの活動や環境整備事業などの実施により、地域住民の憩いの場、水や自然とのふれあいの場として利用されています。 |