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はくすい(ためいけ)えんてい
白水(溜池)堰堤
竹田市
堰堤

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所在地・完成年等 施設の形式・諸元
●所在地:大分県竹田市大字次倉
●完成年:1938年(昭和13年)
●設計者:大分県土木技手(技師) 小野安夫
●施工者:本体施工者:株式会社溝口組
●管理者:ダム事業者:富士緒井路土地改良区
●文化財指定等:国指定重要文化財
●河川:大野川水系大野川
●目的:農業かんがい
●型式:重力式コンクリート(重力式割石コンクリート)
●堤高:14.1 m
●堤頂長:87.26 m
●湛水面積:10 ha
●総貯水容量:600,000 立方m

堤体越流の状況


堤体越流の状況

解説板
遺産の説明(社会的背景・歴史的・文化的価値など)
 白水ダムは、竹田市砥地区万田迫から豊後大野市緒方町内の田畑へ配水するために必要な農業用の取水ダムで、片ヶ瀬から緒方の丘陵部へ配水する総延長15キロの幹線水路を経て、豊後大野市緒方町内の田畑を潤しています。昭和9年から4年半の歳月をかけ、昭和13年3月に完成し、「富士緒井路」の水不足対策として、この地域の農業用水・電力源となっています。
小型のダムながら、「転波」と呼ばれる水が階段状になって落ちる様が美しく、大分県では初めて昭和の近代遺産として国指定重要文化財となっています。
 転波列が造りだすレース模様の流水は、芸術性さえ感じさせる美しい景観を現出しており、都市環境評論家で橋梁の研究者・伊東孝氏が、日本一の美堰堤であると、折り紙を付けたほどです。流速を制御する曲線の組み合わせは、堰堤の左右、中央で表情が違うことになります。設計・監督の小野安夫(大分県農業土木技師)の熱い思いがくみ取れます。「彼は、堰堤の建設が始まる以前から富士緒井路の事業に関わっていたようです。当時の不便さに関しても、問題意識を持っており、その改善策として、堰堤整備と合わせて5連アーチの橋梁をかけることも望んでいたそうです。(引用:河川文化82号)」

 ダムまでの道は分かりづらく、曲がりくねった細い農道が続き、専用の駐車場から堰堤までの約800mは、一般車通行禁止のため、森の中を15分ほど歩かなくてはなりません。しかし、その苦労は堰堤を見た瞬間に消え去ります。

交通アクセス
JR豊肥線玉来駅から車で約30分

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※当情報は位置情報のみです。施設へのアクセスが危険な箇所もありますので安全性を確認して下さい。

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