FUKUOKA 12
北河内橋
福岡県北九州市八幡東区
河内貯水池に注ぐ川に架かる
カンチレバーアーチ橋
それぞれ特徴的な構造をもつ
通称「河内5橋」
北九州市は、官営八幡製鐵所創業の地です。
製鐵所の工業用水を確保するために造られた河内貯水池一帯には、河内5橋(北河内橋、中河内橋、南河内橋、猿渡橋、水無橋)と称される、特徴的な構造や形をした橋が架かっています。
河内貯水池一帯の土木構造物を手掛けた八幡製鐵所の技師沼田尚徳で、さまざまな技術を実際に試したようにも思われる、それぞれ構造と趣が違う橋です。
河内貯水池とともに
沼田尚徳設計の橋
南河内橋は国の重要文化財で、大正8年(1919)から昭和2年(1927)にかけて架設された、貯水池の南側に架かる赤いレンティキュラートラス構造の橋です。
その他の4つの橋は、貯水池に流れ込む川に架かります。北河内橋は、その間の大正10年(1921)に竣工した、径間18.8m、幅員12.9m、鉄筋コンクリート打放しのカンチレバー(片持ち梁)アーチ橋で、橋長方向にアーチ状のシャイベ桁が3枚架けられ、スラブを支える構造となっています。
昭和63年(1988)に2車線に拡幅され、拡幅部分も鉄筋コンクリートアーチ橋となり、県道62号線北九州小竹線の現役の道路橋として一世紀を超えて利用されている橋です。
DATA
所在地/福岡県北九州市八幡東区
完成年/昭和2年(1927)
設計者/沼田尚徳(官営八幡製鐵所)
施工者/官営八幡製鐵所
管理者/北九州市
<施設の形式・諸元>
鉄筋コンクリート(RC)造のシャイベアーチ橋
幅員/12.9m 径間/18.8m