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FUKUOKA 19

欅坂橋梁

福岡県田川郡香春町

斜径間 6.55m
国内2番目の現役ねじりまんぽ

線路に対しトンネルが斜めに抜ける
煉瓦造石張橋梁

大正4年(1915)に開業し、筑豊と小倉港を縦に繋いだ小倉鉄道は、開業当時11の駅、金辺トンネルをはじめ4つのトンネル、30もの橋梁がありました。そのひとつが「欅坂橋梁」です。
五木寛之が『青春の門』の第一部・筑豊編の冒頭で『異様な山である。』と書いた、香春岳(かわらだけ)が金辺川に迫る筑豊盆地。鉄道も道路も曲線であることから、線路に対してトンネルが斜めに抜ける斜架拱(しゃかきょう)、「ねじりまんぽ」となっています。「まんぽ」とは関西の方言でトンネルのこと。斜径間6.55メートルは、現役の斜架拱の橋の中では、三重県いなべ市のコンクリートブロック製の橋「六把野井水拱橋(ろっぱのゆすいきょうきょう)」についで2番目となります。

香春町側より

のこぎり歯状の迫受石
煉瓦と切り石の技法の美

欅坂橋梁は、北九州市と田川郡を隔てる金辺峠を通る日田彦山線の橋梁として、福岡に残る茶屋町橋梁、折尾高架橋をあわせた3つのねじりまんぽの中で、唯一の現役です。線路に対して道が斜めとなるため、加重を均等に地盤へ伝えるための構造ですが、他の2基と違い、石と煉瓦を使った重厚な構造が特徴的です。
くぐるとアーチを支える台座の迫受石(せりうけいし)はのこぎり歯状で、その上に積まれた煉瓦が見事にアーチをかたちづくっています。坑門は煉瓦6層積に、切石積み。その緻密さと美には、設計と職人の技術の高さと、一度は資金難から中止となった金辺鉄道を引き継いだ、小倉鉄道の当時の気概が感じられます。

DATA

所在地/福岡県田川郡香春町 

JR日田彦山線〈小倉鉄道→添田線〉、一般道にかかる

完成年/大正 4年(1915年)

管理者/JR九州

<施設の形式・諸元>

煉瓦斜拱渠(石ポータル)

橋長/ 6.4m

径間/(斜)6.55m、右 60度