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FUKUOKA 28

佐井川橋

福岡県築上郡吉富町

大正モダンの面影を残す
鉄筋コンクリート黎明期の橋

木橋を思わせる
井桁状の橋脚と主桁

九州一小さなまち、築上郡吉富町と豊前市の間を流れる佐井川に架かる佐井川橋は、大正9(1920)年8月に建設された、鉄筋コンクリート橋が普及して間もない時代の橋で、長さ81メートル、幅6メートル。井桁状の橋脚と主桁という構造は、木製の橋からの移り変わりを感じさせる姿です。
昭和19年(1944)の洪水によって9基の橋脚のうち、東側1基が流されましたが、現在でも現役で福岡と大分の人々の往来を支える生活道路となっています。橋の上から上流を見ると、明治期に開通したJR日豊本線の佐井川橋梁があります。

大正モダンを感じさせる高欄

縁取りレースを思わせる
モダンな高欄

水面に映る姿はとても優美です。すらりとし、1組4本で構成されている橋脚、ドーナツのような円形をこらした高欄は見る角度によって表情を変え、縁取レースのようにも見えます。完成当時の大正浪漫とモダニズム(近代化)が融合した「大正モダン」の空気を今に伝える土木遺産です。

橋脚 1基が流された後も生活道路として継承されている

DATA

所在地/福岡県築上郡吉富町 国道 35号

佐井川河口

完成年/大正 9年(1920年)完成、昭和 19年(1944)橋脚減少

<施設の形式・諸元>

RC 桁

橋長/ 81.0m

幅/ 6m 9連