FUKUOKA 40
宮ヶ原橋
福岡県八女市長野
北部豪雨から
息を吹き返した「よ」の石橋
ひふみよ橋の最下流
大正 11 年完成の4 連橋
宮ヶ原橋は、八女市長野の星野川に架かる13 の石橋の中で最長となる、橋長46m の4 連の橋。「ひふみよ橋」と呼ばれる、1 連アーチの洗玉橋、2連の寄口橋、3 連橋の大瀬橋に続いて、「よ」にあたる、最下流にかかる橋です。右岸側のアーチには、設計者の豊島虎次郎、石工の山下佐太郎の名前が彫ってあります。
大正11 年(1922)の完成以来、長年その姿を保ってきた宮ヶ原橋でしたが、平成24 年(2012)7 月の九州北部豪雨で、この橋が流木で塞がれ、堤防などの決壊などにより周辺地域が大きな被害を受けました。
分水路掘削と中州の公園化
石橋保存の願いとともに
治水のために撤去架け替えの声もあがる中、専門家・行政・漁協・行政などからなる協議会で対話が積み重ねられていきます。地域の人びとの安全や生活の利便性を確保しながら、分水路を開削して石橋を保存する復旧工事が行われることとなりました。
欄干や橋の中に詰めてある土砂が流出するなどの被害があった石橋も地元の八女石を使って修復され、6 年後の3 月、無事に「ひふみよ橋」は完全復活しました。先人たちの石橋の技と風景とが調和した復旧工事は、高い評価を受け、地元の誇りとなりました。分水路と本川に囲まれた中州は今、公園となって、多くの人が訪れる名所となっています。
DATA
所在地/福岡県八女市宮ヶ原 星野川に架かる
完成年/大正 11 年(1922) →
平成 30 年(2018)災害復旧工事
設計者/豊島虎次郎
施工者/山下佐太郎
管理者/八女市
<施設の形式・諸元>
石アーチ(凝灰岩)
橋長/ 46.0m 橋幅/ 3.6m
径間/ 9.0m(4 連)