KAGOSHIMA 10
慈眼寺公園の石橋群
鹿児島県鹿児島市慈眼寺町
廃仏毀釈により取り壊された
島津家久の菩提寺跡に残る石橋
15代貴久によって
菩提寺福昌寺の末寺へ
慈眼寺(じげんじ)は飛鳥時代(約1300年前)、百済の名僧日羅によって開基されたと伝えられ、日羅がつくった観音像が安置されていました。
室町時代の応永年間(1394-1428)に島津氏第8代当主、島津久豊によって再興されます。天文11年(1542)、15代貴久の庇護を受けて伽藍が建造され、曹洞宗へと改宗して島津家代々の菩提寺だった玉竜山福昌寺の末寺となりました。
公園として親しまれる
名勝・慈眼寺跡地
その後、18代当主島津家久の菩提寺となり、坊津の一乗院、志布志の宝満寺とともに薩摩の三名刹として有名でしたが、明治2年(1869)の廃仏毀釈により取り壊されてしまいました。
昭和49年(1974)、名勝として鹿児島市の文化財に指定され、流れる和田川に稲荷橋(写真一番上)、遊仙橋、洗心橋、澄心橋をはじめ、風情ある石造橋が残る慈眼寺跡。現在は、慈眼寺公園として、桜や紅葉の名所として人びとに親しまれていいます。
DATA
所在地/鹿児島県鹿児島市慈眼寺町
完成年/【遊仙橋】昭和2年(1927)
【稲荷橋・洗心橋】不詳
【澄心橋】昭和4年(1929)
橋長/ 9.85m 幅員/ 2.29m
【澄心橋】 1連石造アーチ橋
橋長/ 10.15m 幅員/ 3.73m
文化財指定等/市指定文化財
<施設の形式・諸元>
【稲荷橋】 石桁(5連)
橋長/ 12.3m 幅員/ 2.45m
【遊仙橋】 石桁(3連)
橋長/ 8.66m 幅員/ 2.32m 支間/ 2.5m
【洗心橋】 石桁(5連)