KAGOSHIMA 11
貝底橋
鹿児島県鹿児島市喜入町前之浜
愛嬌あふれる補修跡に魅了される
旧指宿街道の石橋
鹿児島弁で貝は「け」
その名は「けぞこばし」
貝底橋(けぞこばし)は、鹿児島市喜入町(きいれちょう)前之浜の旧指宿街道(きゅういぶすきかいどう)に、明治43年(1910)に竣工した2連アーチの石橋です。鹿児島弁では貝のことを「け」といいます。
欄干に代わりにガードレールが備わり、昭和36年(1961)に国道226号が、ルートに平行して建設されたため、現在も生活道路として使われています。
アーチのコンクリート補強と
への字の路面
大きめの水切りは舟の形です。壁石は、赤みがかった阿蘇凝灰岩の布積み。片側のアーチはコンクリートで補強され、独特の表情をしています。横から見ると、後にコンクリート舗装されたであろう路面は、片側アーチの上でわずかに屈折してへの字になっていて、ガードレールもへの字です。
115年あまりの間、長く使い続けるための補修跡に何ともいえない愛嬌があり、見飽きなることのない石橋です。
DATA
所在地/鹿児島県鹿児島市喜入町前之浜 貝底川、市道
完成年/明治43年(1910)
管理者/鹿児島市
<施設の形式・諸元>
石アーチ(凝灰岩)
壁石積み方/布積
橋長/ 16.2m 橋幅/ 4.1m
径間/ 7.0m(2連)