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KAGOSHIMA 12

枕崎港西防波堤・荷揚岸壁

鹿児島県枕崎市(枕崎港)

今も残る枕崎港の原点
緻密な石積みの防波堤と雁木

60 間の雁木から
始まった港

枕崎に港らしい波止めができたのは、安永4 年(1775)、枕崎の石工、神園孫兵衛がえびす鼻から北西に長さ60 間(約120m)の雁木(港の船着場における階段状の構造物)を築いたのが始まりとされています。
明治末期における遠洋漁船の大型化にともなって、漁港施設として防波堤の必要性が叫ばれ、明治43 年(1910)から計画に着手し、大正2 年(1913)から5 年の歳月をかけて、延長530m の西防波堤、および南防波堤が竣工しました。

美しい曲線を描く防波堤

国際物流拠点漁港の中に残る
曲線美しい防波堤

現在、港湾面積76,800 ㎡の国際物流拠点漁港として発展している枕崎港ですが、西防波堤の巻石積みはほぼ原型と思われる形で綺麗に残り、断面頂部の円弧曲線、堤体のカーブが美しい防波堤です。また、新設防波堤下部の海面付近には、旧防波堤らしき石積み基礎部が、かなりの長さで残存しています。一方、防波堤完成後、漁船の接岸に必要な岸壁がなかったため、漁獲物の水揚げは砂浜を経由しており、荷揚用の岸壁の構築が望まれていました。
そこで、昭和7 年(1932)から2 年間、石造りの階段式護岸が荷揚用岸壁として整備されました。現在、中央部付近は小舟の係留に使用されていますが、江戸時代の雁木は、今も創建当時のまま港内の東南に残り、石積みの特徴がよく現れています。

荷揚用岸壁の階段式護岸

DATA

所在地/鹿児島県枕崎市(枕崎港)

完成年/大正7 年(1918)~昭和12 年(1937)

管理者/枕崎市

<施設の形式・諸元>

石防波堤・雁木

港湾面積/ 76,800 ㎡

雁木13 段以上