KAGOSHIMA 15
八ヶ代橋
鹿児島県曽於市財部町
永久橋の称号ふさわしい
拱矢比7.2の扁平アーチの混成橋
寄付金をあわせ
6,696 円で架け替えた永久橋
八ヶ代橋(やかしろばし)は、曽於市財部町(そおしたからべまち)南俣の横市川に架かる1連の石アーチ橋です。
壁面と基礎部にコンクリートを用いた混成橋で、大正14年(1925)、当時洪水の度に流され架け替えが必要だった木橋を、町の補助金と住民の負担金、寄付金を合わせた6,696 円の工事費で永久橋に架け替えたと云われています。工事には、鹿児島郡伊敷村の永德正太郎が当たったとされています。
不可をかけず
真上に架ける斬新さ
径間長25.3m、拱矢3.5m、拱矢比(アーチの長さである径間を、アーチの高さである拱矢で割った値)7.2 は、県内で最大の径間であり、最も扁平なアーチです。
鹿児島では珍しい開腹式アーチ橋で、橋体重量の軽量化と洪水流対策を図ったものと思われます。昭和51年に、橋の上部にPC桁橋が架けられましたが、新橋と旧橋の間には空間があり、負荷をかけることなく旧橋をそのまま保存するという手法がとられています。その斬新な保存の在り方と、降る雨からも
旧橋を守るかのような新旧の橋の姿。永久橋という称号が真にふさわしい八ヶ代橋の風景です。
DATA
所在地/鹿児島県曽於市財部町
完成年/大正14年(1925)
施工者/石工 永德正太郎
管理者/曽於市
文化財指定等/市指定文化財
<施設の形式・諸元>
1連開腹式石造アーチ橋
橋長/ 32.0m 幅員/ 6.3m
支間/ 24.0m(1連)
径間長/ 25.3m、拱矢3.5m、拱矢比7.2