KAGOSHIMA 16
大園橋(めがね橋)
鹿児島県鹿屋市祓川町
堅牢と優美を兼ね備えた
120年前の石造技術
肝属川流域で
最後の石橋
鹿屋市(かのやし)を流れる肝属川(きもつきがわ)に架かる大園橋は、流域で現存する最後の石橋です。
日露戦争が起こった明治37年(1904)5月の完成で、当時の記録が皆無のため、経費その他詳細は不明ですが、当時としては相当の経費、大工事であったと思われます。
二重の環石と
布積みが優美な橋
形式は複式アーチのめがね橋で、橋脚は川床に頑強な基礎が造られ、工事は鹿児島の伊敷から、石工が来て造ったと云われています。
その石造技術は堅牢で、環石が鹿児島によく見られる二重ですが、石材の大きさが違って変化があり、布積みの壁石とあわせ、その形は優美です。
120年の時を刻む、大隅地方に残る貴重なめがね橋のひとつです。
DATA
所在地/鹿児島県鹿屋市祓川町 市道、肝属川
完成年/明治37年(1904)
施工者/鹿児島の伊敷の石工
管理者/鹿屋市
文化財指定等/鹿屋市指定文化財
<施設の形式・諸元>
石アーチ
壁石積み方/布積
橋長/ 25.7m 橋幅/ 4.15m
径間/ 10.05m(2連)