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KAGOSHIMA 18

牧野地区用水の水路橋

鹿児島県志布志市志布志中山地内

大正時代の灌漑技術を知る
石積み+コンクリートの水路橋

上にいくにつれ
細くなる芸術的な橋脚

安楽川の上流、曽於市(そおし)末吉町南之郷高岡口から取水した農業用水を牧野地区に供給するための水路が、花房川を跨ぐために架けられた水路橋です。大正6 年(1917)着工、10 年に通水し、翌年にほぼ完成したと伝えられています。
水路は幅0.9m、深さ0.7m のコンクリート造で、橋台及び橋脚は石造です。なかでも橋脚は、高さが6 ~ 10m 程度あり、河床から上にいくにつれ細くなっている姿は芸術的です。

新旧の水路橋

役目を終えて
ひっそりと保存される姿

石積みは空積みで、特別な補強跡は見受けられません。創建後100 年以上が経過した今も、特に大きな損傷もなく、保存状態は良好です。
下流側に水路橋が新設され、旧水路橋はその役目を終え、ひっそりと保存されています。地域灌漑の歴史を伝える貴重な土木遺産です。

コンクリート製の水路の中

DATA

所在地/鹿児島県志布志市志布志町

二級河川安楽川水系 花房川

完成年/大正6 年(1917)~大正11 年(1922)

設計者・施工者/井久保喜次郎

管理者/志布志市

文化財指定等/旧志布志町指定有形文化財

<施設の形式・諸元>

石アーチ

延長/ 57.9m(架橋部分27.1m) 支間/約5m(5 連)

4 本の石造橋脚 橋脚高/ 6.75 ~ 9.95m

石積み橋脚 RC 桁(連続、石橋脚)