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KAGOSHIMA 26

浜田橋

鹿児島県日置市吹上町永吉地内

南薩線の橋脚とともに歴史を刻む
復活から110年の石橋

地元総出で切り出した
「浜田石」でできた石橋

浜田橋は、日置市吹上町の永吉川(ながよしがわ)河口近くに架かる3連アーチ橋です。
明治17年(1884)より以前、伊作街道(現国道270号)に永吉橋として2連アーチ橋が架けられましたが、大正2年(1913)の水害で流出。同じ年に3連アーチに改築されました。近くの浜田石と呼ばれる凝灰岩が使われ、切り出しには小山田、加世田(かせだ)、永吉の石工と地元の人びとが総掛かりであたったとされています。

上流側の水切り

県内最長の石橋は
吹上浜サイクリングロードの名所

橋長45.0m は現役の石橋の中では県内最長を誇り、水切りが、上流にも下流側にもあるのが特徴です。
この浜田橋の下流に、4本の石積の橋脚が川の中に残っています。 鹿児島本線の伊集院と、 指宿枕崎線の枕崎を結んでいた鹿児島交通線、通称「南薩線(なんさつせん)」の鉄橋跡です。大正3年(1914年)より運行を始めた南薩線は、昭和59年(1984)に惜しまれながら廃線となりました。
日本三大砂丘の一つである吹上浜沿いを縦断する全長23.9㎞の「吹上浜サイクリングロード」は、この南薩線の廃線跡をたどります。110年の時を刻む浜田橋を渡りながら見る廃線遺構は、忘れ得ぬ風景です。

薩摩半島の大動脈だった南薩線の橋脚

DATA

所在地/鹿児島県日置市吹上町永吉地内

市道永吉浜田線(永吉川)

完成年/大正2年(1913)

施工者/石工と小山田、加世田永吉の住人

管理者/日置市

文化財指定等/市指定有形文化財

<施設の形式・諸元>

石アーチ(凝灰岩)

橋長/ 45.0m 幅員/ 4.1m

支間/ 12.5m(3連)