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KAGOSHIMA 32

東郷橋

鹿児島県薩摩川内市東郷町斧渕地内

昭和10年完成
リベット接合による3径間曲弦トラス橋

陸軍演習の
資材搬入路として架橋

東郷橋は、戦前の昭和10年(1935)に川内川の中流域に架橋された、最初の本格的な鋼橋です。陸軍演習のための資材搬入路として架橋されたと伝えられています。
橋長149.1m、幅員5.1m。鋼製のリベット接合による48.8m×3径間の、曲弦トラス下路式です。重力式橋台と中抜式の橋脚により構成され、基礎工は木杭基礎、もしくは井筒基礎(井筒を地盤に据えて内部を掘って沈下させ、硬層などのある深さまで継ぎ足し、その中にコンクリートを充塡する工法)と推察されます。

「とうごうばし」と刻まれた碑

戦前のトラス橋と
西海橋や関門橋との繋がり

施工は横河橋梁製作所(現在の横河ブリッジ)です。
明治40年(1907)、大阪で創業し、当時、鉄骨部材の多くを輸入に頼っていた日本で、国内での製造に取り組んだことで知られ、九州でも長大橋の幕開けとなった長崎県の西海橋や、熊本県の天門橋(天草1号橋)、福岡県の関門橋のほか、多くの架橋に携わっている企業です。
架橋後、補修補強を加えながら、今なお現役の県道橋として機能している戦前の鋼橋。そのトラスは山々の緑を背景に一際映え、親しみを込めて「赤橋」と呼ばれています。

夕日に染まる川内川と東郷橋

DATA

所在地/鹿児島県薩摩川内市東郷町斧渕地内

県道市比野 東郷線(一級河川 川内川)

完成年/昭和10年(1935)

施工者・管理者/鹿児島県

<施設の形式・諸元>

鋼下路式単純トラス

橋長/ 149.1m 幅員/ 5.1m

支間/ 48.8m(3連)