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KUMAMOTO 14

立門橋

熊本県菊池市立門 鉾甲川(柏川)、国道 387 号脇

種山石工の技
通潤橋の石工頭、宇市の石橋

石橋と持ち送り桁橋
学術的に貴重な2つの橋

立門橋(たつもんばし)は、隈府町(わいふまち、現・菊池市)から天領日田の豆田に至る上津江往還(かみつえおうかん)の難所であった菊池川の支流、木護川に架かる石造単アーチ橋と、右岸側に並行して流れる用水路に架けられた持ち送り式桁橋からなります。
持ち送り式桁橋とは、両側から桁をせり出させてその上に桁を乗せる構造で、現在は支柱が立てられていますが、学術的に貴重な橋です。棟梁は、嘉永7 年(1854)に石工頭として通潤橋を完成させた、種山石工の宇市。そのもとで通潤橋をはじめ多くの石橋を架けた、名工橋本勘五郎(丈八)の兄にあたります。その独特の構造から、見飽きることのない橋です。

石が転がる木護川

特徴的な頑強な厚み
漆喰で書かれた立門の文字

立門橋は、河原手永会所の伝作、惣庄屋小山三右衛門などにより計画され、安政6 年(1859)に細川藩の許しを得て着工し、万延元年(1860)に完成しました。全長75m、幅3.6m。大工、人夫の総人数は、5,878 人とする計画書が出されていたといいます。
橋に刻まれている大胆な「立門」の白い文字は建設時のもので、漆喰が埋め込まれたもの。大きな石が転がる川は流れも激しく、耐えうるように下流の橋脚に頑強な厚みがもたせてあり、その上に置かれた石の洞には石仏が祀ってあります。その御利益もあってか、幾多の洪水を乗り越えて来た石橋です。

厚みをもたせた下流の橋脚と立門の文字

DATA

所在地/熊本県菊池市立門 鉾甲川(柏川)、国道 387 号脇

完成年/万延元年(1860)

設計者・施工者/石工 宇市(橋本勘五郎の兄)

管理者/菊池市

文化財指定等/熊本県指定有形文化財

<施設の形式・諸元>

1 連の石造アーチ

橋長/ 75.0m 橋幅/ 3.6m

径間/ 21.7m