
KUMAMOTO 21
磐根橋
熊本県熊本市内坪井
熊本城と町を繋いだ
大正モダンなRC開腹アーチ橋

熊本城の防御のため
造築した空堀
磐根橋は、熊本城北の吾が輩通り(県道1号)の上を通っている道路橋で、大正期としては幅広い鉄筋コンクリートアーチ橋です。
昔、熊本城のある茶臼山と京町台地は地続きでしたが、江戸時代の初め、両地区の間に空掘が設けられました。これは、藩主細川忠利が肥後入国後、幕府の許可を得て構築した堀で、熊本城の防御力から考えて非常に重要な堀となりました。

右が大正時代の磐根橋の橋脚
熊本城と京町を繋いだ
大正モダンなアーチ橋
その際、お城と京町台地を結ぶ細い道(豊後・豊前街道)を残し、推定幅32m、深さ20mの空堀としたので新堀と呼ばれるようになったと云われています。
近代に入り、明治44(1967)年には、軽便鉄道開通に伴い、堀の間に残された部分にトンネルが造られ、大正12年(1923)には、さらに人も歩けるよう堀全体が掘り下げられました。その際、熊本城と京町の間には架けられた橋が、磐根橋です。大正時代のモダンな開腹アーチのデザインにあわせた拡幅の構造を、道路から見ることができます

鉄筋コンクリート開腹アーチ
DATA
所在地/熊本県熊本市内坪井 県道1号線
完成年/大正12年(1923)→高欄改修
管理者/熊本県
<施設の形式・諸元>
鉄筋コンクリート開腹アーチ(リブ+柱、方杖状)
橋長/33.09m
径間/29.40m
