KUMAMOTO 23
御船川・八勢眼鏡橋
上益城郡御船町大字上野 (御船川、八勢川)
材木商林田能寛が
私財を投じて架けた石橋
石工は霊台橋を架けた
卯助と甚八
八勢眼鏡橋(やせめがねばし)は、御船川支流の八勢川(やせがわ)に架けられた石橋です。
江戸時代、熊本と延岡(現・宮崎県延岡市)を結ぶ日向街道は、この橋を経て矢部(現・山都町)に通じていましたが、八勢川は増水すると通行ができなくなるなど不便で危険なため、安政2年(1855)、御船の材木商林田能寛が私財を投じて架けた橋です。石工は弘化4年(1847)に完成した霊台橋を架けた卯助と甚八。名工橋本勘五郎の兄と弟です。
人馬・物品の往来が
盛んになった御船町
下流側の橋台には、洪水時の補強のため厚みをもたせてあり、本流に架かる部分と左岸を流れる用水路に架かる小さな石橋、八勢小橋が一体となった、珍しい構造です。
石橋の完成により通行の便がよくなり人馬・物品の往来が盛んになった御船町は物流の要所として栄えました。御船町で最も古い石橋である八勢水路橋および日向街道の石畳の道も残り、江戸時代の風情を残す一帯は、石文化を知る公園として親しまれています。
DATA
所在地/上益城郡御船町大字上野(御船川、八勢川)
完成年/安政 2年(1855)
設計者・施工者/石工 卯助、甚平(橋本勘五郎の兄と弟)
管理者/御船町
文化財指定等/熊本県指定重要文化財
<施設の形式・諸元>
単一石造アーチ
橋長/ 62m 橋幅/ 4.3m 高さ/ 9.2m
径間/ 18.2m 拱矢/ 8.7m