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KUMAMOTO 26

鵜の瀬堰

甲佐町東寒野、上豊内 緑川

川を斜めに横断する
加藤清正の治水工事の見事

堰の場所を教えたという
鵜の鳥

鵜の瀬堰は、加藤清正の緑川治水工事の一つで、緑川上流部の甲佐町上豊内に慶長13 年(1608)に築造されました。川の流れが激しく石を積んでも何度も流される難工事で、甲佐神社に祈り続けた清正に、鵜の鳥が斜めに並んで堰の位置を教えたという民話が語り継がれています。
流水の抵抗を和らげるために、川を斜めに横断して設置し、この堰で得られた潅漑用水は甲佐、竜野、白旗、豊秋の663ha の水田を潤しています。また同時に緑川の掘り替え工事が行われ、本川と並行して流下していた釈迦院川が、はるか上流で合流するようになりました。この堰で分水した水路、大井手川に梁が築かれています。

斜めに築かれた堰

清正の茶屋が起源の
やな場でいただく鮎料理

寒野地先では、平成17 年(2005)の河川改修工事にともなって、緑川の左岸部分で幅約10m、長さ約120m 大規模な石畳などが見つかりました。約1m 四方の凝灰岩などの自然石が敷き詰められ、堰の一部とみられています。直径15 ㎝ほどの穴が開いた石が続いている所は、橋が架かっていたと推測され、そばには護岸用の高さ1.5m ほどの石積みも確認され、流れの中での工事の苦労を物語ります。
鵜の瀬堰により緑川から引き入れた川は、やな場を通ります。やなとは、細長く切りそろえた竹の上に鮎が集まり、竹で編んだ簀(す)に落ちてくる伝統の梁漁(やなりょう)のこと。甲佐のやな場は、加藤清正公が川狩りを楽しむためにおいた茶屋を起源とし、その後、肥後藩主が代々来遊する場所となりました。茅葺き屋根のあずま屋で、6~11 月は鮎料理を楽しむことができます。

甲佐町やな場

DATA

所在地/甲佐町東寒野、上豊内 緑川

完成年/慶長13 年(1608)

設計者・施工者/加藤清正

文化財指定等/甲佐町指定文化財

<施設の形式・諸元>

用水堰

堰長/約660m 堰幅/約85m