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KUMAMOTO 38

笠松橋

八代市東陽町久木野 (河俣川)

自然石で積んだ構造美
名工橋本勘五郎の橋

勘五郎 46歳の時
上京前に架けた橋

谷川、鹿路橋とともに河俣川を渡る石橋で、子守唄の里、五木村への道沿いにある笠松橋。
明治2年(1869)、名工橋本勘五郎によって架橋されたと記録されています。勘五郎46 才の時、明治政府に招かれ宮内省土木寮勤めとして、東京へと赴く2年前のことでした。
その後、大正元年(1912)の大水で笠松側の壁石が流失して補修した。貴重な跡が残っています。アーチの部分だけが阿蘇山の噴火活動により堆積した溶結凝灰岩で、その他は川にある転石が用いられています。

150年を越す石橋は
アニメ『夏目友人帳』の聖地

八代で架けられた石橋の多くは、アーチ部分は丁寧な加工を施した石材を使用する一方、壁石には簡単に手に入る自然石を使用するなど、費用を抑えながらも、丈夫な橋を架ける工夫がみられます。石工たちは架橋技術だけでなく、依頼主の要望や予算に応じた細やかな設計や資材確保、資金運営までを行う技術者集団となっていきました。
欄干もない笠松橋は、下流に橋が架けられるまでは車が通行していました。
現在は歩行者のみとなり、平成12年(2000)には周辺が公園化され、夜間にはライトアップされるなど、憩いの場となっています。熊本県各地の風景が登場するアニメ『夏目友人帳』にも登場する笠松橋。聖地めぐりのスポットとしても知られる橋です。

橋横の階段を降りると間近に見える構造

DATA

所在地/八代市東陽町久木野(河俣川)

完成年/明治 2年(1869)

設計者・施工者/橋本丈八(橋本勘五郎)

管理者/八代市

文化財指定等/八代市指定有形文化財

<施設の形式・諸元>

石造アーチ橋

橋長/ 22.7m 橋幅/ 2.7m

径間/ 14.2m 拱矢/ 5.0m