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KUMAMOTO 40

第一球磨川橋梁

熊本県八代市坂本村鎌瀬(JR 肥薩線、球磨川)

アメリカン・ブリッジ社製
ピン結合の曲弦プラットトラス橋

熊本豪雨の後
残された一連のトラス

JR 肥薩線は、熊本の八代市から人吉市、鹿児島、宮崎の3 県を縦断する鉄道で、球磨川を4 回横断する橋梁のひとつが第一球磨川橋梁です。
明治41 年(1908)に竣工以来、幾多の災害を乗り越えて来た第一橋梁でしたが、令和2 年(2020)7 月の熊本豪雨で、一連のトラスと一部の橋脚を残して流出。球磨川第二橋梁も、ほとんどが流失しました。
残されたトラスには、曲線を描く上辺の部材(上弦材)をはじめ、架設された当時のピン結合が残り、複数の小断面部材を組み合わせて1 本の部材が構成され、被災した今も、その繊細ながら力強い構造を伝えています。

豪雨前の姿

アメリカ人技師クーパーと
シュナイダーが設計

第一球磨川橋梁は、アメリカ人技師クーパーとシュナイダーが設計し、アメリカン・ブリッジ社が製作した橋で、トラス部には”1906 AMERICAN BRIDGE Co. NEWYORK U.S.A”との刻印が施されていました。
ピン結合方式のトラス橋で、トランケート(切り詰め)式と呼ばれ、川に対して斜角がついており、斜めに川を渡っています。当時は、この方式が各地で採用されました。中でもこの橋は橋脚上の連結部に60 度の斜角がついたトランケート式で、第二球磨川橋梁とともに国内に残る最後の2 つでした。
過去にない規模の被害に、JR 肥薩線は、現在も八代-吉松(鹿児島県湧水町)間の約87km で運休し、国と県、JR 九州の3 者で検討会議が、令和6 年(2024)の現在も、続いています。

トラス端の部材の角度が左右で違うトランケート方式

DATA

所在地/熊本県八代市坂本町鎌瀬 JR 肥薩線、

鎌瀬駅-瀬戸石駅、球磨川

完成年/明治 41 年(1908)

設計者/クーパー、シュナイダー

施工者/鉄道省(直轄施工)

管理者/ JR 九州

文化財指定等/経済産業省近代化産業遺産

<施設の形式・諸元>

曲弦プラットトラス(ピン結合)+上路プレートガーダー

下部工/橋台 煉瓦、切石積

橋脚 煉瓦、切石積橋長/ 205m、単線

径間/ 3×25.4m+2×62.70m(5 連)