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KUMAMOTO 46

市房ダム

熊本県球磨郡水上村大字湯山 河川 球磨川水系球磨川

霊峰一房山を背景に
2 万本の桜咲く多目的ダム

九州豪雨の日
歴史的公文書となったメモ

球磨川本流の水上村にある一房ダムは、旧建設省九州地方建設局が昭和28年(1953)から7年のも歳月をかけて完成し、昭和36年より熊本県が管理する洪水調節、発電、潅漑を目的とするダムです。
有効貯水量3,510万㎥、年間発生電力5,130万kWHを目標とし、発電で利用した水によって約3,570haの水田を潤しています。受益地域は、球磨盆地の南部地域の湯前町、多良木町、錦町、あさぎり町の4町村です。
令和2年7月4日の九州豪雨では、上流からの水1.190万㎥と、大量の流木と土砂を受け止め、最高水位283m まで後わずかのところまで迫りました。緊迫した中、直前で緊急放流回避となった管理所長の緊迫したメモは、県によって「歴史的公文書」 として永久保存されています。

洪水調節用のクレストゲート

倍の2万本とも云われる
名所「1万本桜」

ダム湖には水質改善を目的に平成15年(2003)に、高さ約80mの大噴水が運転開始し、ダイナミックに水煙を上げる風景は観光客の目も楽しませ、カヌーや釣りなど、多くの利用がなされています。
ダム湖のそばには約80 種200本の桜が見られる「桜図鑑園」もあり、「1万本桜」と呼ばれる桜の名所です。ダムによって集落が底に沈むこともある中で、その植栽計画には設計者の思いが込められ、霊峰一房山を背景に咲く桜は、実際は約2万本とも云われています。

桜に彩られるダム湖

DATA

所在地/左岸所在 熊本県球磨郡水上村大字湯山河川

球磨川水系球磨川

完成年/昭和 28年(1953)着手 昭和 34年(1959)竣工

設計者/建設省

施工者/本体施工者 西松建設

管理者/ダム事業者 熊本県

<施設の形式・諸元>

重力式コンクリートダム

目的/ FNP

堤高/ 78.5m 堤頂長/ 258.5m 堤体積/ 313,000 ㎥

流域面積/ 157.8 k㎡ 湛水面積/ 165ha

総貯水容量/ 40,200,000 ㎥ 有効貯水容量/ 35,100,000 ㎥