MIYAZAKI 11
加久藤(堀切)峠
熊本県人吉市~宮崎県えびの市(国道221 号)
熊本と宮崎の県境
地形の克服を物語るトンネルとループ
標高700mへと弧を描く
2 つのループ橋
熊本県人吉市と宮崎県えびの市の県境にある加久藤峠は、標高約820mあまりの峠を、山肌に沿って、狭くくねくねとした道で越えていくしかなく、昔から交通の難所として知られていました。
加久藤トンネルは、外輪山の北壁を貫通する全長1,809m の道路トンネルで、昭和47 年(1972)に開通。その後、昭和52 年(1977)に標高差55m,カーブ半径95 m から140 m の橋3 本で構成される人吉ループ橋、2 年後にカーブ半径150 m から400 m の橋6 本とトンネル3 本で構成される標高差約75m、のえびのループ橋が完成しました。
空を飛ぶかのような浮遊感
加久藤盆地、霧島連山の絶景
平成7 年(1995)、九州自動車道人吉~えびの間が暫定2 車線、平成16 年(2004)に全線片側2 車線で完成し、これにより青森から鹿児島まで日本列島を縦貫する高速道路が完成しました。
国道221 号の加久藤峠の交通量は往時にくらべ少なくなりましたが、両県を結ぶ一般道路の大動脈の1 つであることは変わりありません。ゆるやかに弧を描き山を越えていくループ橋は、まるで空を飛んでいるかのような浮遊感。トンネルを抜け、目の前に広がる加久藤盆地と、霧島連山の絶景は、土木技術による地形克服を知る旅です。
DATA
所在地/熊本県人吉市~宮崎県えびの市(国道221 号)
完成年/【加久藤トンネル】昭和47 年(1972)
【人吉ループ橋】昭和52 年(1977)
【えびのループ橋】昭和54 年(1979)
設計者/国土交通省
施工者/大成建設(加久藤トンネル)
管理者/国土交通省
<施設の形式・諸元>
トンネル延長/ 1,809m 幅員/ 8.4m