最新のブラウザをご使用ください

古いブラウザにてご利用いただいた際に、部分的に機能が制限されたり、また正常にページが表示されない場合がございます。

MIYAZAKI 12

月の木川橋(めがね橋)

宮崎県えびの市

丸太を運んだ飯野林道
トロッコ軌道跡の強靱な石橋

熊本営林局建設の石橋
石は山から木馬で

月の木川橋は、地元では「めがね橋」「太鼓橋」と呼ばれている石橋です。
この橋は、川内川最上流の大平官行からJR吉都線えびの飯野駅までの約30km、切り出した丸太を運び出すトロッコ道の一部として、熊本営林局により造られたものです。石造で両脇と中央でかたちが異なる3連アーチをもち、昭和3年(1928)に完成し、丸太が運ばれました。
橋本体の工事は、鹿児島県串木野の肥田佐兵衛氏が請負い、切石は、この有島川の上流の「土川」から山仕事で使う木馬(きうま・材木運搬用の木製のソリ)で運び出されました。

木材の重みにも耐えた路面(現在はアスファルト)

歩いて渡ることができる
橋高17.2mの軌道跡

基礎部の上に50cm 角の石を緻密に積み重ね、最後にアーチの真中に、珍しい五角形の要石を組み込んで造られました。木材で組んだ櫓を最後に解体する際には1本の木を抜けば、すべて崩れるようにしてあったと云われています。
中央アーチ部は、径間15.2mと大きく、見応えがあります。右の親柱には「飯野林道」、左の親柱には「月乃木川拱橋」(拱橋はアーチ橋の意味)の文字が刻まれています。昭和37年(1962)に軌道が廃止されると一時期自動車が通るようになりましたが、安全面から車両通行禁止となりました。欄干は低く橋高17.2mとスリリングながらも、歩いて通れるようになっています。
近年、地域の人びとが植えた紫陽花に彩られ、訪れる人を和ませてくれます。

アーチ頂上には五角形の要石

DATA

所在地/宮崎県えびの市大字大河平字佐牛野市道、有島川

完成年/昭和3年(1928)

施工者/基礎部は片平熊太郎(飯野町建設業者)、

橋本体は肥田佐兵衛(串木野)

文化財指定等/国登録有形文化財

<施設の形式・諸元>

石アーチ(半楕円)

橋長/ 58.2m 幅員/ 2.4m

径間/最大28.8m(3連) アーチ高/ 15.2m

橋面高/ 17.2m