MIYAZAKI 14
橋満橋
宮崎県小林市
高さ23mから渓谷をのぞむ
竹筋コンクリートと石でできた橋
木材や木炭を運ぶ
トロッコ道だった遊歩道から
宮崎県小林市の岩瀬川にある三之宮峡谷は約34 万年前に起こった阿蘇巨大噴火の火砕流によって形成されたもので、櫓の轟(やぐらのとどろ) やや「千畳岩」などの奇岩の風景が広がります。川に沿った大小11 の素掘りのトンネルをくぐる全長約1km の遊歩道(現在は台風被害のため通行止)は、昭和30 年代まで木材や木炭を運んでいたトロッコ道でした。
その上流端から見上げると、橋満橋が架かっています。
物資が乏しい時代
架橋の苦労に思いを馳せる橋
橋満橋は、昭和18(1943)年に地元の人々が材料を購入し、地元の人々や祖国振興隊などの奉仕作業で造られました。
戦時中の物資が乏しい時代で鉄筋が手に入らず、代わりに竹を使った竹筋コンクリートと石材を用いた、たいへん珍しい橋です。橋長17m、幅員4.7m。たくさんのアーチが並ぶモダンな欄干が出迎え、橋高23mから三之宮峡谷の風景を楽しむことができます。
DATA
所在地/宮崎県小林市大字東方字橋満
完成年/昭和18 年(1943)
管理者/小林市
文化財指定等/市指定有形文化財
<施設の形式・諸元>
石造+コンクリートアーチ(1 連)
橋長/ 17m 幅員/ 4.7m
高さ/約23m