MIYAZAKI 15
日向大橋
宮崎県新富町・佐土原町(一ツ瀬川)
2 つの穴は県境の証
明治の煉瓦橋脚を持つ道路橋
完成当初は
上部トラス木造 + 煉瓦橋脚
国道10 号は、北九州市を起点として、大分市や宮崎市を経て鹿児島市に至る延長約547.4km の重要な幹線道路です。
日向大橋は、その国道10 号の一ツ瀬(ひとつせ)川に架かるローゼ桁と呼ばれる鋼橋で、この形式で架けられた日本で最初の橋となります。橋長560.8m、幅員7.4mn の18 連で、川の流心部に架けられた3 つのアーチ部がローゼ桁(太いアーチ部材それよりも細く剛な柱材を取り付けて桁を支える形式のアーチ橋)の形式を採用しており、構造としてはアーチ部の曲線材と橋桁の直線材とを結合し一体化したものです。
新旧の日向大橋で
力をあわせ4 車線化へ
昭和29 年(1954)に完成しましたが、それまでは木橋で、台風で何度も流失した記録が残り、 8 代目となる日向大橋への架け替えは市民の大きな悲願でした。昭和63 年(1988)には歩行者専用の側道橋が架橋されます。
日向大橋は片側1 車線のため、交通量の増加による慢性的な交通渋滞を解決するため、2010 年代から国道10 号新富バイパスの新・日向大橋による4 車線化の事業が着手されました。
新・日向大橋は、陸上で組みたてた橋桁をスライドジャッキで1日で約20m送り出してゆく「送り出し工法」で架けられ、平成28 年(2016)9 月に完成。同時に旧橋を閉鎖して補修・再舗装。翌年、新橋は上り、旧橋は下り線専用となり、新旧力をあわせての待望の4 車線供用となりました。
DATA
所在地/宮崎県新富町・宮崎市佐土原町(一ツ瀬川)
完成年/昭和29 年(1954)
設計者/九州地方建設局
施工者/横河橋梁
管理者/国土交通省
土木学会選奨土木遺産
文化財指定等/日向市有形文化財
<施設の形式・諸元>
中央/ 3 連のローゼ橋+鈑桁
側径間/鋼単純合成桁
橋長/ 560.8m 最大支間/ 67m(18 連)