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MIYAZAKI 16

山仮屋隧道

宮崎県北郷町

最先端のアーチ式断面
煉瓦の覆工曲線残る廃道

明治 25 年完成
県内初の道路トンネル

山仮屋隧道は、宮崎と飫肥間を結ぶ現在の宮崎北郷線開設に伴い、県内初の道路トンネルとして、明治24 年(1991)に着工、翌年に完成しました。それまでの主要な交通機関の人力車に変わり、客馬車が普及されはじめた交通の激変期の頃で、その2 年後には、宮崎から飫肥までが開通し、県南の交通網が発達していきました。
トンネル内部の覆工には、県の技手、根占助市が大阪の堺の商社に発注した良質の煉瓦が使用されており、側壁部にはイギリス式の手法、アーチ部には長手積みの手法が採用されています。

「山假屋隧道」のトンネル坑口銘板

片側巻上方式は
奇術師だった技師のトリック

その断面はアーチ式構造で、当時としては最先端の技術を物語っています。しかし、昭和の終わり頃、トンネル脇に道が開通すると、人びとに忘れ去られ、廃道となりました。記憶から薄れていく煉瓦造りの古びたトンネルを見るに耐えられないと感じた地元住民の活動により、平成10 年(1998)10 月に、宮崎県の指定有形文化財に指定されました。
廃道となった今も、美しい煉瓦の曲面が保たれています。

煉瓦の美しい曲線を保つトンネル

DATA

所在地/宮崎県日南市北郷町

完成年/明治 25 年(1892)

管理者/日南市

文化財指定等/県指定有形文化財

<施設の形式・諸元>

煉瓦トンネル

延長/約 56.0m トンネル幅/約 4.8m

道路幅員/約 3.8m 内部の高さ/約 4.3m