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MIYAZAKI 03

綱ノ瀬川橋梁

宮崎県日之影町

旧高千穂鉄道の 42 連アーチと
支間 45m の大アーチ橋梁

大アーチ部分は特殊工法
鉄道省の直轄工事へ

綱ノ瀬川橋梁は、五ヶ瀬川本流と綱ノ瀬川の合流点の鹿川峡谷に架かる、旧高千穂鉄道の橋梁です。42 連もの無筋コンクリート連続アーチ橋と、支間45m の鉄筋コンクリートアーチ橋1 連から成っており、昭和12 年(1937)に完成しました。
鉄筋コンクリートの部分は、ひとたび台風にみまわれると足場が流されることから、試験的に両側からケーブルで型枠を支えながら足場なしでコンクリー卜を打設するケーブルエレクション工法が採用され、特殊な工法のため鉄道省の直轄工事となりました。
斜めから見ると、その実現のために自重を軽くするため開腹式となっています。鉄道橋として支間45m の大アーチは、その当時に国内最大で、完成後も土木関係の技術者たちが多数訪れたと言われています。

開腹式上路アーチ構造

第三五ヶ瀬橋梁とともに
近代化遺産に

平成17 年(2005)の台風14 号により、川水流~上崎間、亀ヶ崎~槙峰間の鉄橋が橋脚ごと流失。平成20 年(2008)12 月、高千穂鉄道はその歴史に幕を下ろしますが、「鋼材使用が制限される中、鉄道省が最先端の技術を駆使して完成したもので近代コンクリート構造物 の技術的到達点の一つを示す」として、令和2 年(2020)12 月23 日、第三五ヶ瀬川橋梁とともに宮崎県初の近代化遺産として国の重要文化財に指定されました。
背景には、平成4 年(1992)に完成した橋長330m、支間180mの槇峰大橋が架かり、その新旧のアーチは90 年での土木技術の進化を物語っています。

複雑な地形の上に見事な連続アーチ

DATA

所在地/宮崎県日之影町-延岡市北方

旧高千穂鉄道(廃線) 綱ノ瀬川沿い

完成年/昭和 12 年(1937)

設計者/鉄道省大臣官房研究室

施工者/【鉄筋コンクリート開腹アーチ】 鉄道省(直轄施工)

管理者/日之影町

文化財指定等/宮崎の橋 101 選 国指定重要文化財

<施設の形式・諸元>

鉄筋コンクリート開腹アーチ(ヴォールト+ 板)

橋長/ 417.8m

径間/ 7m(42 連)及び 45m(1 連)

線数/単線