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MIYAZAKI 04

第一・第二小崎橋梁

宮崎県西臼杵郡日之影

地図にも名前なき
幻の 18 連アーチ廃線遺構

無筋コンクリート重腹アーチ
地形を縫うかのごとく

平成17 年(2005)9 月6 日、台風14 号によって第一五ヶ瀬川橋梁、第二五ヶ瀬川橋梁が流失するなど全線にわたって甚大な被害を受けた高千穂鉄道。復旧・運行再開断念という苦渋の決断を経て、平成19 年(2007)9月に延岡-槇峰間、翌年12 月に高千穂-槇峰間も含む全線が廃止されました。
今も残る両橋梁は、吾味-日之影温泉間に架かる無筋コンクリート充腹アーチの鉄道橋で、綱ノ瀬川橋梁と同じ、昭和12 年(1937)に完成しました。第一小崎橋梁は、上路コンクリートアーチの12 連、第二小崎橋梁は、上路コンクリートアーチの6 連で、ほぼ連続しています。阿蘇泥溶岩を主体とする五ヶ瀬川河岸の複雑な地形を縫うように、高さが違う橋脚が立ち並び、18ものアーチが155mに渡って続く圧巻の風景です。

県道 237 号線からのぞむ

道なき資材輸送、コンクリート打設
鉄道を通すという一念に思いを馳せる

河岸の地層は、第一小崎橋梁・第二小崎橋梁周辺には車で近づくことはできませんが、対岸の県道237 号線から遠景で見ることができます。
廃線となった高千穂鉄道は一部解体が進んでいますが、うっそうとした緑に中に佇むコンクリートの人工構造物の姿は、自然の造形美と対照的でありながら、不思議と調和しています。
この橋梁の資材の輸送、建設がいかに困難であったことか。そして、険しい地形の中、18 連アーチという規模の橋梁を架け、鉄道を通すという技術者たちの一念に思いを馳せる風景です。

五ヶ瀬川沿いに続く廃線跡(奥は第三五ヶ瀬川橋梁)

DATA

所在地/宮崎県西臼杵郡日之影町

旧高千穂鉄道(廃線) 吾味-日之影温泉間)

完成年/昭和 12 年(1937)

管理者/高千穂鉄道(廃線)

<施設の形式・諸元>

【第一小崎橋梁】

無筋コンクリート充腹アーチ(12 連)

橋長/ 103.8m、12 連

【第二小崎橋梁】

無筋コンクリート充腹アーチ(6 連)

橋長/ 51m、6 連