MIYAZAKI 07
尾鈴橋
宮崎県木城町中之又・東郷町下三ヶ
日本初ケーブルエレクション工法採用
その別名は「恐竜橋」
照葉樹の緑と湖面に映える
恐竜の赤い骨格
宮崎県の中央部、椎葉村の三方岳に源を発する小丸川(おまるがわ)上流に位置する松尾ダム。照葉樹林に囲まれたダム湖に架かる尾鈴橋は、湖面に映る姿が美しく、その個性的な姿から別名「恐竜橋」とも呼ばれる鋼ブレーストリブタイドアーチ橋です。
戦後間もない昭和21年(1946)に着工し、4年の歳月をかけ昭和25年(1950)に竣工。資材不足の復興期に架けられた橋ながら、当時の先端技術をうかがい知ることができます。
尾鈴橋と西海橋
九州の長大橋との意外な繋がり
架橋には、日本で初めてケーブルエレクション工法が採用されました。
橋台上に鉄塔を建て、吊橋のように橋体を懸垂するためのワイヤーロープを張り渡し、そこから適当な間隔で下げられた吊手で部材を順次組み立てていく工法です。
橋には「昭和25年 宮崎県建造内示(昭和14年)二等橋 製作 株式会社横河橋梁製作所」と、陽刻の銘板が付けられています。横河橋梁製作所(現・横河ブリッジ)は、完成と同じ年に着工した西海橋、その後の若戸大橋、関門橋のほか、日本を代表する長大橋やドームなどの構造物を手掛けた日本を代表する企業です。
この工法により、地盤から桁下まで直接丸太などで足場を組みその上で桁を組み立てることが困難な場所も効果的に架橋することが可能となりました。その後の架設工法に、大きな足跡を残した歴史的な橋です。
DATA
所在地/宮崎県児湯郡木城町中之又・日向市東郷町下三ヶ
完成年/昭和 25年(1950)
施工者/株式会社横河橋梁製作所
管理者/宮崎県
文化財指定等/土木学会選奨土木遺産
<施設の形式・諸元>
鋼タイト゛アーチ
橋長/ 110.6m 幅員/ 4.5m
支間/ 100m(1連)