NAGASAKI 11
山川内橋梁
長崎県諫早市多良見町
石拱渠では国内最大スパン
伊木力川を跨ぐ放物線のアーチ
九州鉄道による建設
総石造りの石拱渠
山川内橋梁は、多良見町山川内郷の伊木力川を跨ぐ、JR 長崎本線の大草から本川内の間にある現役の石拱渠(せっこうきょ)で、拱渠とは土手を築いて線路を敷設するとき、その下に道路や川を通すためにつくるアーチ状の橋梁のことです。
長崎線として明治31年(1898)、九州鉄道により建設されたもので、伊木力橋梁と同じく、彫刻された重厚な石造りのポータルです。石洪渠では国内最大のスパンを誇ります。アーチが、特異な放物線状をなす総石造りの鉄道用石拱渠は、同じく大変珍しいものです。
まわりにはその名を知られる伊木力みかんの段々畑。開墾の時に出た石を積んだ石垣が、空に向かってのぼっています。地域に息づく石積みの文化を感じる石拱渠の風景です。
DATA
所在地/長崎県諫早市多良見町、JR長崎本線
完成年/明治31年(1898)
管理者/JR九州
<施設の形式・諸元>
石拱渠(石ポータル、放物線)
径間/ 9.1m