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NAGASAKI 12

小ヶ倉(水道)堰堤

長崎県長崎市上戸町

長崎の上水道技術の到達点
当時最高の高さを誇る御影石の堤体

2 倍となった人口に対応する
水道拡張事業

小ヶ倉ダムは、長崎市街南部の上戸町にある、大正15 年(1926)に完成したダムです。大正 9 年(1920) 工事に着工し、大正 11 年(1923)、小ヶ倉と出雲町間の導水トンネルが開通しました。
明治時代より、上水道ダムとして本河内高部ダム、本河内低部ダム、西山ダムが建設されましたが、大正9年(1920)、第2 次市域拡張によって2 倍の約23 万人となった人口に対応するため、新たな水道拡張事業として建設されたもので、100 年以上だった今も現役のダムとして、配水が行われています。

ダム湖

国会議事堂と同じ産地の御影石
黒くどっしりとした本堤

小ヶ倉堰堤は、完成当時、日本で最も堰堤が高い水道用ダムでした。
粗石コンクリート造りの重力式ダムで、国会議事堂に使われている山口県徳山産の御影石を張った重厚な壁体に特徴があります。完成時の記録写真によると、ずっしりとした黒い本堤は、苔むす前は全体が上部のような白だったと思われます。赤茶色したアーチ型で丸みを帯びた副ダムとのコントラストが印象的です。
ダム建設当時に架けられた管理橋も残され、大正時代の近代的なデザインをみることができます。
噴水に歓声があがる「小ヶ倉水園」は、長崎水道創設100 周年を記念してつくられた公園です。庭園に滝や水路、河川に自然石を配した広場は、長崎の近代水道の歴史を知る、憩いの空間として親しまれています。

徳山産の御影石の堤体

DATA

所在地/長崎県長崎市

完成年/大正15 年(1926)

設計者/中島鋭治

管理者/長崎市水道局

文化財指定等/国登録有形文化財

<施設の形式・諸元>

粗石コンクリート(表面布積)重力式ダム

高さ/ 41.21m 延長/ 135.56m(10 門)