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NAGASAKI 13

西山(水道)堰堤

長崎県長崎市西山

治水を加えた新ダムの
貯水池に眠る歴史的上水道堰堤

長崎大水害を機に
求められた治水の機能

明治37 年(1904)、市域拡張による人口増に対応するために、中島川の支流の西山川に完成した西山堰堤。
長く上水道ダムとしてその役割を担ってきましたが、昭和58 年(1983)、昭和57 年7 月23 日、長崎県中部から南部に停滞した梅雨前線は、降り始めから翌24 日までの総雨量572mm、長与町役場では日本の観測史上最大の1 時間で187mm を記録。土石流や山崩れなどが各地で多発し未曾有の大災害となりました。
語り継がれる、長崎大水害です。

緑の洋風高欄をもつ新西山ダムの天端(左)

60m 下流に造られた新ダム
異国情緒にあふれた天端

その後、堰堤の約60m 下流に、治水機能を備えた新しいダムの建設が始まります。西山堰堤は、長崎の価値ある土木遺産として保存されることとなり、新しいダムの貯水池内に古いダムが保存されるという珍しい景観が創りだされることになりました。
平成11 年(1999)、新たに完成した新西山ダムは、西山堰堤の造形を継承するとともに、長崎らしいデザインとなりました。
ダムの天端にはグラバー邸に用いられている格子模様の洋風高欄が採用され、また、ガス灯風の照明、通廊入り口扉にはステンドグラスが使われる等と、長崎の異国情緒にあふれています。

旧堤体(左)と新西山ダム(右)

DATA

所在地/長崎県長崎市西山

完成年/明治37 年(1904)完成 →

平成5 年(1993)新西山ダムとなる

設計者/吉村長策

管理者/長崎市水道局

<施設の形式・諸元>

粗石コンクリート(コンクリートブロック張り)重力式ダム

高さ/ 18.15m

延長/ 139.39m