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NAGASAKI 14

元船岸壁

長崎県長崎市元船町

673.2m の切石布積
昭和2 年に完成した海の玄関口

護岸を築造し埋め立て
海外航路や物流の拠点に

長崎港は、南西から北東へと入りこむ深い湾で、その姿から「鶴の港」とも呼ばれてきました。 元亀2 年(1571)、ポルトガル船の入港を契機に開港して以来、海外との交易を通じて、独自の文化を発展させてきた交流の港です。
元船岸壁は、長崎湾にそそぐ浦上川河口付近にある長さ673.2m の大規模な切石布積の石護岸です。岩原川から中島川河口間に護岸を築造し、背後を埋め立てたもので、大正11 年(1922)に着工し、昭和2 年(1927)に完成。上海航路や物流など、モノと人が行き交う舞台となりました。

切石布積の護岸

ケーソン岸壁の上に石張り
砂岩を用いた切石布積み

形式は、ケーソン岸壁の上に石張りの護岸が残り、石積み部分は砂岩を用いた和風布積であり、典型的な長崎式であるといえます。
元船周辺では、その後、倉庫が建ち並んでいましたが、歴史ある切石布積みの護岸を継承した内港地区再開発事業により、現在の元船埠頭と長崎港ターミナルが整備されました。
五島、伊王島、高島への離島 ・ 沿岸航路、軍艦島などのクルーズ船が就航し 、 100 年の時を刻む石積み護岸は、長崎の海の玄関口として賑わいを見せています。

元船町西側岸壁

DATA

所在地/長崎県長崎市元船町

完成年/昭和2 年(1927)

<施設の形式・諸元>

石護岸(切石布積)

延長/ 673.2m