NAGASAKI 18
ドンドン坂とグラバー通りの石畳
長崎県長崎市南山手 (外国人居留地)
長崎を象徴するオランダ坂の石畳
溝や水音にも潜む石の文化
雨がどんどん速く流れる構造
ドンドン坂
坂のまち長崎で、有名なドンドン坂。雨が降ると流れ落ちる水が下る途中でどんどん速くなることが、その名の由来です。
両側の溝も石張りで、U 字状→三角溝→矩形断面の構造で変わっていくのも、水量とスピードを調整するため。斜めの切石布目敷の石畳の途中には、番地を示す石標柱などがあり、居留地の土木技術と風情が残る貴重な道です。
オランダさんが通る坂道
オランダ坂の石の風景
ドンドン坂をあがって、左におれるとマリア園から杠葉病院別館まで、全長約106mの石畳が続きます。グラバー通りとも呼ばれるこの部分の石畳は、明治10 年(1877)発行の初期の外国人居留地図に現れていますが、地図上では石畳は道路の一部分。全面石畳になったのは、後の時代とみられています。
このような石畳の坂を、長崎ではオランダ坂と呼びますが、江戸時代、日本で唯一貿易が行われていた長崎では、出島の影響から、開国後も外国人をオランダさんと呼び、居留地の坂をオランダさんが通る坂という意味でそう呼んだと云われています。
DATA
所在地/長崎県長崎市南山手 (外国人居留地)
完成年/明治10 年以前(1878 以前)
管理者/長崎市
<施設の形式・諸元>
石張り
【マリア園横の石畳】
延長/ 116.9m 幅員/ 1.7m
【マリア園前の石畳】
延長/ 106m 幅員/ 4.1m