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NAGASAKI 27

佐須奈隧道(東口)(現在通行止め・危険)

長崎県対馬市上県町佐須奈 国道382 号

ルース台風にも耐えた5 連アーチ
気品ある「石橋の貴婦人」

石柱に残る名は
豆田町の豪商廣瀬久兵衛

百木集落に水を引く計画は、元禄6 年(1693)に発案されています。1715年に始まった開削は豪雨災害で頓挫し、工事責任者の引責切腹という悲劇を招くに至っていますが、明治期にその遺志を継いで導水路が完成し、その完成と同時に三つの幹線水路への配水量を巡って、地区農民の争いが絶えないようになり、互いに反目する日々が続きました。

隧道への石畳

石の櫓組み天井
江戸時代の土木技術を知る隧道

そこで、水を平等に分配するための施設として円形水路が考えられました。2km の井路を通って来た水は、サィフォンの原理で円形水槽の中央から勢いよく湧き出ます。これを円形水槽の20ヶ所ある分水窓から決められた割合で三つの幹線用水路に落とし、水を公平に分配します。水量の多少に関係なく分配量は変わらず、昭和9 年(1934 年)の完成、昭和59 年(1984 年)の改修を経て、今も地元の人々に大切に使われています。

沈み橋と原尻橋

DATA

所在地/鹿児島県日置市吹上町永吉地内

市道永吉浜田線(永吉川)

完成年/大正2 年(1913)

施工者/石工 小山田、加世田永吉の住人

管理者/日置市

文化財指定等/市指定有形文化財

<施設の形式・諸元>

石アーチ(凝灰岩)

橋長/ 44.0m

幅員/ 4.6m

支間/ 12.5m(3 連)