NAGASAKI 05
岡本第二貯水池
長崎県佐世保市十文野町
旧海軍水道施設の整備
佐世保で最初のダム
灌漑用の溜池を改造した
旧海軍の貯水池
明治22 年(1889)、佐世保村に、第日本帝国海軍の佐世保鎮守府が開庁します。
岡本貯水池は、その10 年後となる明治32 年(1899)に、海軍が灌漑用の溜池を改造して造ったもので、佐世保では一番古いものです。日清戦争後の水不足から、水源を求め、佐世保鎮守府第3 海軍区は軍港水道の計画と設計施工を、吉村長策氏に依頼しました。整備した施設のうち、最初のダム施設となります。
安全に送水する減圧井
今も残る煉瓦造の建築物
市はその一部をもらい、一荷二銭の手数料をとって市民に給水しました。
海軍は、濾過のために矢岳浄水場の建設を進めますが、貯水池との高低差から水道管に強い水圧がかかるため、圧を下げて送水した減圧井が、野中と堺木に残る赤煉瓦の構造物です。今も、現役で使われています。
岡本貯水池は、「鎮守府横須賀・呉・佐世保・舞鶴~日本近代化の躍動を体感できるまち」の構成要素として、日本遺産に認定されました。
施設内に立ち入ることはできません。
DATA
所在地/長崎県佐世保市十文野町
完成年/明治 34 年(1901)
施工者/国(旧海軍)
管理者/佐世保市
文化財指定等/土木学会選奨土木遺産
<施設の形式・諸元>
土手
延長/ 180m 幅員/ 4.7m