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OITA 18

赤松橋(赤松めがね橋)

大分県速見郡日出町大字藤原 赤松

苦闘の歴史を秘めた
技術革新期のめがね橋

技術革新時代の痕跡
川床で固まったコンクリート塊

赤松橋は、別名めがね橋とも言われ、当時の国道35号、現在の国道10号の八坂川に架かる橋長47mの2連の石アーチ橋です。宇佐市院内町をはじめとして石橋の多い地方ですが、日出町にとっては唯一の石拱橋(せっこうきょう)となります。明治30年(1897)の完成です。
橋の上から川床を見ると、自然石とは趣のことなる塊がありますが、建設当時、厳寒の工事の中、コンクリートの養生方法など十分な知識がなかったこともあり捨てられた大量のコンクリートがそのまま固まったものです。

丁寧な丸みをもつ高欄
優しさをたたえた石橋

工事は苦難の連続で、中断を命ぜられるなどがあって工期も遅延。請負人都留茂一は違約金2,910 円を徴され、落札額8,500 円を大幅に上回る13,500 円の支出を余儀なくされたと云われています。
その甲斐あってか、新道にその役割を譲った現在も、脚を止める人も多い橋です。珍しく橋脚に「付け柱(角柱)」を設け、その上に橋名板を設置しているほか、親柱の外側には袖高欄があります。角が丸みをおびた意匠は、他の石橋とは違った風情があり、重厚でありながら優しさをたたえた石橋です。

美しい曲線の高欄と川底のコンクリート

DATA

所在地/大分県速見郡日出町大字藤原 赤松 八坂川

完成年/明治 30年(1897)

施工者/石工  安部福太郎

文化財指定等/日出町有形文化財

<施設の形式・諸元>

石アーチ

橋長/ 47.0m  幅員/ 5.9m

径間/ 18.5m(2連)