OITA 34
(旧)犬飼橋
大分県豊後大野市犬飼町
△と□と〇の土木構造
川港跡から眺める犬飼三橋
昭和9 年完成
日本橋梁製のワーレントラス
旧犬飼橋は、国道10 号と県道631 号線を結ぶ大野川中流域に架かる橋です。最高で4 段の井桁状橋脚が特徴で、中央部分がワーレントラス橋となっています。ワーレントラスとは、細長い部材同士を正三角形に繋ぎ合わせたトラス構造のことで、強く、部材が少ないため費用も抑えることができます。
大正12 年(1923)完成で、大阪の日本橋梁製のトラス部分は、昭和9 年(1934)に完成しました。昭和42 年(1966)まで一般国道57 号でしたが、上流側に完成した犬飼大橋の供用により、現在は、県道となっています。
川港跡から繋がる交通史
下から眺める三橋の橋脚
江戸寺大、大野川は臼杵藩と岡藩の藩境でした。左岸には岡藩が参勤交代のために明暦2 年(1656)に開いた犬飼港跡があり、石畳や茶屋跡など、物資交流の川港として栄えた歴史が残る一帯は「大野川河川公園」として整備されています。
公園からは、川港が役目を終えるきっかけとなった旧犬飼橋、交通量の増大で造られた犬飼大橋、そして最後に子どもたちの通学路としてつくられた歩行者専用の犬飼中橋と、3 つの橋を下から眺めることができます。
旧犬飼橋の井桁状の橋脚には、型枠工事で使用された板の跡が残っています。新犬飼橋のモダンな丸い橋脚との対比が、ユニークな眺めです。
DATA
所在地/大分県豊後大野市犬飼町
完成年/大正12 年(1923)
トラスは日本橋梁製 昭和9 年(1934)
管理者/大分県
<施設の形式・諸元>
鋼ワーレントラス(平行弦、下路)、RCラーメン
橋長/ 176.5m
径間/【トラス】37.0m
【ラーメン】12.5m(5 連+6 連)