OITA 44
轟木橋
大分県豊後大野市三重町伏野(中津無礼川)
「農耕と児童の通学のため」
扁平アーチ伸びやかな橋
寄付金を集めて造られた
変則2連のアーチ
轟木橋は、豊後大野市三重町の中津無礼川に架かる石橋です。
石碑によると、周辺住民の集会で、農耕に、児童の通学などのために、地元が寄付金を集めて、昭和3年(1928)9月に起工、昭和6年(1931)4月に完成したとあります。
石工は福岡の井上為吉で、他にも中津無礼川の石橋を手掛けていますが、洪水から橋と集落を守るため、変則アーチにしたと考えられます。
ホタルと紅葉の名所
見飽きぬ伸びやかな構造美
柳橋を起点とする白水名水ロードの中ほどに位置する2連の伸びやかなアーチは、要石の上がすぐ高欄となり、素朴ながら見飽きない構造美です。
この地の字名に網掛とあるのは、岡3代藩主中川久清が度々川狩に訪れ網を掛けて干したことからと云われています。川沿いはもみじに彩られ、ホタルの名所としても知られています。川床には、八万五千年前の阿蘇山の大噴火による柱状節理も見られ、見る人の心を和ませる癒しの場です。
DATA
所在地/大分県豊後大野市三重町伏野 一般道(中津無礼川)
完成年/昭和4年(1929)
設計者/村田光慶
施工者/石工 井上為吉
管理者/豊後大野市
<施設の形式・諸元>
石アーチ
橋長/38.5m
支間/25.6m、8.1m(2連)