
OITA 45
鳴滝橋
大分県豊後大野市緒方町知田
石工川野茂太郎
太い橋脚で川を跨ぐ5連のアーチ

緒方駅開業で架設された
太い橋脚をもつ5連の石橋
鳴滝橋は、豊後大野市緒方町にある、日本の滝百選のひとつ、原尻の滝の下流、原尻川に架かる石橋です。
大正11年(1922)2月、国鉄犬飼線(後の豊肥本線)の緒方駅開業が迫っていた時期に架設されました。太い橋脚、頑強な雰囲気を漂わせる均整の取れた5連のアーチ。上流側は舟形の水切りがあり、壁に当たる水圧を和らげて壁石を守るつくりになっています。

下流より
芯は200年前のまま
補修しながら現役の県道として
石工は臼杵の川野茂太郎です。茂太郎が手がけたアーチ石橋は、大野川筋で40を越えるといわれ、その中には大正8年(1919)に完成した、竹田市の明正井路第一拱石橋などがあります。
しかし、平成5年(1993)の未曽有の集中豪雨で高欄と壁石が流失。壁石のみ復元されましたが、橋上はコンクリートで補強され、高欄は改修されました。
厳しい自然に耐え、完成した当時のまま残ることがいかに難しいことか。芯は200年前のまま、現在も県道の橋として現役で使われています。

明正井路との共通性がある鳴滝橋
DATA
所在地/大分県豊後大野市緒方町知田
完成年/大正11年(1922)
平成5年の集中豪雨で高欄・壁石が流失し壁石のみ復元
施工者/石工 川野茂太郎
管理者/大分県
<施設の形式・諸元>
石アーチ(3連)
橋長/50.0m 橋幅/3.70m
径間/8.25m(5連)
