OITA 46
原尻橋
大分県豊後大野市緒方町原尻
鉄道延伸とともに歩んだ
大正 12 年のままの堂々たる姿
洪水にも耐えてきた
水切りを構えた頑強な橋脚
豊後大野市緒方町にある原尻橋は、日本の滝百選のひとつ、原尻の滝のすぐ上流にある5連アーチの橋です。
県の中島啓文技師の設計で、今も残る設計図の寸法は呎(フィート)・吋(インチ)で表示されています。石工は、鳴滝橋、安政橋、そして明正井路を手掛けた川野茂太郎。
上流側の橋脚の下部には、舟形の水切りを構えています。風雨、洪水にも耐えた美しく堂々たる姿は、大正12年(1923)の完成時のままです。
131人の名前と寄付金額が
刻まれた131本の束石
緒方川にかかる石橋で、下流から鳴滝橋、この原尻橋、長瀬橋の3橋は、大分から緒方へと延伸してきていた国鉄犬飼線(後の豊肥本線)の駅開業にあわせた物資の輸送のため、同じ大正11年~12年の間に完成しています。
高欄の束石には、寄付者の氏名と金額を刻んであるのが珍しく、131本の石柱に、131人ひとりひとりの名前が刻んであり、当時の架橋実現への願いが刻まれた橋です。
その名前とともに、今も現役の橋として活躍しています。
DATA
大分県豊後大野市緒方町原尻
完成年/大正 12年(1923)
設計者/大分県技師 中島啓文
施工者/石工 川野茂太郎
管理者/大分県
<施設の形式・諸元>
石アーチ
橋長/ 73.0m 橋幅/ 3.70m
径間/ 13.0m(5連)