OITA 49
長瀬橋
大分県豊後大野市緒方町上年野
大分県豊後大野市三重町伏野
一般道(中津無礼川)
原尻橋の図面との共通性
同じ技師の設計か
長瀬橋は、豊後大野市緒方町の原尻の滝や原尻橋の上流約1.5km、緒方川に架る石橋です。
田園風景の中に美しい姿を見せる6連の石橋は、橋長78.4m。原尻橋と同じく、設計図は吋(インチ)・呎(フィート)で表示されており、原尻橋を設計した県の中島技師の設計と推測されています。
当時の小富士村辻区と上緒方村上年野区が、補助を受けて工費7,390円で架設されました。
地元経済の発展を願い
緒方駅開業とともに架けられた橋
長瀬橋の記念碑には、大正 11年(1922)に国鉄犬飼線(後の豊肥本線)緒方駅 が開業したため、交通の便を良く し、地元経済の発展を願ったことが刻まれています。現在は歩行者専用として使用され、ブロックを並べたような独特の欄干も大正12年(1923)当時のまま残ります。
鳴滝橋、原尻橋、長瀬橋と3つの橋を巡ると、緒方上井路取水口磨崖仏や、上戸の石風呂(岩窟下部の火室で火を焚き、上部の浴室に薬草の蒸気を充満させて入浴する蒸し風呂)など信仰と石にまつわる史跡が数多くあり、豊後大野の石文化に触れることができます。
DATA
所在地/大分県豊後大野市緒方町上年野
完成年/大正 12年(1923)
設計者/大分県技師 中島啓文(推測)
施工者/竣工 渡辺彦一
<施設の形式・諸元>
石アーチ
橋長/ 78.4m 橋幅/ 4.0m
径間/ 10.6m(6連)