OITA 04
呉橋
大分県宇佐市(宇佐神宮境内)人道(寄藻川)
1300 年代に歌に詠まれた
日本百名橋の一つ
八幡神社の総本宮
宇佐神宮西参道の橋
宇佐神宮は、全国に40,600 社あまりある八幡神社の総本宮です。石清水八幡宮(京都府八幡市)、筥崎宮(福岡県福岡市)とともに、日本三大八幡宮の一つに数えられています。
呉橋(くればし)は寄藻(よりも)川に架かる、屋根がついた西参道の神橋で、昔、中国の呉(ご)の国の人が掛けたことからこの名があるという伝承があります。正安3 年(1301)に勅使として宇佐神宮を訪れた和気篤成が「影見れば 月も南に 寄藻川 くるるに橋を 渡る宮人」という歌を詠んでいることから、この頃にはすでに呉橋があったとされています。
昭和初期までは表参道で、朝廷より派遣された勅使が通った橋でした。
細川家によって造営された
朱色鮮やかな曲線美
江戸時代、宇佐一帯は、中津藩、佐賀藩飛び地、天領などが複雑に入り組んでいました。現在の橋は、高欄の擬宝珠に刻まれた銘から、当時小倉、中津を治めていた細川家によって造営されたことがわかります。
明治9 年(1876)と、昭和26 年(1951)に大改修が行われ、唐破風の檜皮葺き屋根がかかる、朱色に彩られた豪華な橋は独特な曲線を描いています。
橋長は約25m、幅は約3m。支える橋脚は1 基が鉄筋コンクリート製で、他の3 基は御影石です。
現在、一般の参拝者は通ることができませんが、日本百名橋の一つに数えられています。
DATA
所在地/大分県宇佐市(宇佐神宮境内)
人道(寄藻川)
完成年/元和 8 年(1622)
明治 9 年(1876)、昭和 26 年(1951)改修
施工者/細川忠利
管理者/宇佐神宮庁
文化財指定等/大分県指定有形文化財
<施設の形式・諸元>
屋根付木造橋 5 径間
(西端の桁は鉄筋コンクリート、他は木桁)
橋長/ 24.67m 幅員/約 3m