SAGA 10
栴檀橋
佐賀市
石柱 20 本が支える
100 歳の国内最大級石桁橋
桜の名所、田布施川
55 年間自動車が通った橋
石井樋から田布施川を下流へ4km ほど下ると、栴檀橋(せんだんばし)があります。大正13 年(1924)に架けられ、橋長16.8m、幅員5.0m の国内最大級の石桁橋(鉛直の支持台の上に石桁を置く橋)であり、橋脚は4 本ずつ、計20 本の角柱石です。
多布施川の両岸は、橋名の由来となる栴檀(せんだん)をはじめ、榎(えのき)楓(かえで)が、また、春は桜並木で美しく彩られます。昭和54 年(1979)に新栴檀橋ができるまでの55 年間、自動車が通っていましたが、今は歩行者専用です。
橋を渡ると、弘化3 年(1846)に建てられた佐賀藩10 代藩主、鍋島直正の別邸がある神野公園(こうのこうえん)へと入ります。
歴史的建造物とこども遊園地
100 歳の石橋は世代の架け橋
公園東側を流れる多布施川沿いにも約6.5km にわたる約3000 本の桜並木があり、木々に囲まれた別邸は「神野のお茶屋」と呼ばれ、大正12 年(1923)に佐賀市へ寄贈されました。池泉回遊式の日本庭園の中に、別邸の茶室「茶雨庵(さうあん)」を復元した「隔林亭」もあります。
そして同じ公園内にはレトロな「神野公園こども遊園地」、「ミニ動物園」そしてビオトープの「トンボ池」。
寄贈後すぐに架けられたこの石桁橋。古きを受け継ぎ、世代を超えて愛される公園となった歴史をずっと見守ってきた、100 歳の石橋です。
DATA
所在地/佐賀県佐賀市神園 4 丁目
神野公園内の多布施川に架かる
完成年/大正 13 年(1924)
管理者/佐賀市
文化財指定等/土木学会選奨土木遺産
<施設の形式・諸元>
橋長/ 16.8m 橋幅/ 5.0m
径間/ 2.8m(6 連)
形式/石桁、橋脚:角柱、幅方向 4 本、5ヶ所、計 20 本
※橋を支える橋脚部・橋桁として荒削り石を使用した橋