SAGA 18
脊振眼鏡橋
神埼市 城原川
脊振峡谷に架かる
佐賀では珍しい石造アーチ橋
明治の県道工事による石橋
山内と市中心部を繋いだアーチ
福岡、長崎、熊本と比べ、佐賀には非常に少ない石橋。
その訳は、佐賀平野のほとんどが軟らかい有明粘土の厚い層に覆われ、重い石橋を支えるには不向きゆえといわれています。
脊振眼鏡橋は、佐賀の石造アーチ橋のひとつ。吉野ヶ里遺跡から、脊振連峰に向かう県道21号線沿いの城原川(じょうばるがわ)に架かる石造アーチ橋です。脊振峡県道工事によって、明治24年(1891)に竣工しました。
脊振眼鏡橋は、三瀬、脊振の山内地区の里道と、神埼市内に至る県道とを南北に繋ぎ、産業発展に劇的に貢献してきました。多くの橋が流失した明治40年(1907)の城原川の大水害にも耐えたほどでしたが、車両の大型化と交通量の増大によって明治11年(1978)に新橋が建設され、主要道としての橋の役割を終え、市道の一部として活用されています。
主要道の役を終え
石橋を核とした観光名所へ
両岸の岩盤に根をおろし、深山渓谷に建つ姿は、竣工してから100年以上経った今も、石組も狂いなく、川に遊歩道も整備され、橋からは「恵みの噴水」という3本の噴水が放出される演出が加わりました。
この橋の周辺約2キロの県道は桜街道と呼ばれ、夏は魚釣り、秋は紅葉、冬は雪景色。石橋の風景は、眼下の滝とともに観光名所となっています。
DATA
所在地/神埼市大字広滝字河の内(城原川)
完成年/明治24年(1891)
管理者/神埼市
文化財指定等/神埼市重要文化財
<施設の形式・諸元>
一連石造アーチ橋
橋長/ 20m 橋幅/ 6m